![]() パニーニは、イタリア語で「小さなパン」を意味し、ハムやチーズ、野菜などを挟んだパンをパニーニメーカーと呼ばれる専用のグリル機で上下から圧着しながら焼き上げる。日本では1990年代後半からカフェ文化の広がりとともに認知が進み、エスプレッソやカフェラテと相性の良い軽食として浸透した。 人気を集めた背景には、日本人の食文化との親和性があるとみられる。焼きおにぎりやホットサンド、たい焼きなど、日本では古くから「表面を焼いて香ばしさを引き出す食品」が好まれてきた。パニーニもまた、鉄板で圧力をかけながら焼くことで表面に香ばしい焼き色をつけるため、日本人が慣れ親しんできた「焼きの魅力」と共通する感覚を持っている。 さらに、具材をしっかり圧縮することで片手でも食べやすくなる点も、日本市場で受け入れられた理由の一つと考えられる。日本では通勤途中や短時間のランチ需要が大きく、食べ歩きやテイクアウトとの相性が良い商品は広がりやすい。パニーニは見た目にボリューム感がありながら、比較的スマートに食べられる点が支持につながった。 また、日本のベーカリー文化との相性も大きい。近年のベーカリーでは、惣菜パンやサンドイッチなど「食事パン」の需要が高まっており、パニーニはその延長線上の商品として導入しやすかった。食パン文化を背景にホットサンドへの抵抗感が少なかったことも、普及を後押ししたとみられる。 カフェ関係者は、「パニーニは焼きたての香りが非常に強く、店頭で調理すると購買意欲を刺激しやすい。さらに具材の組み合わせ次第で幅広い提案ができ、日本の季節食材とも合わせやすい点が大きい」と話している。 現在では、生ハムやモッツァレラチーズを使った本格派だけでなく、照り焼きチキンやきんぴらごぼうなど和風食材を取り入れた商品も増えている。海外発祥のメニューでありながら、日本独自の進化を遂げつつある点も、パニーニ人気の特徴といえそうだ。 |